家族で食事を終え家に帰ると
娘、「大変!大変!」
私、「どうしたの?」
娘、「玄関の鍵穴に針金が刺さっている」
私と妻、「えー!?」
娘、「ドロボウ???」
私、「君たちは、ここで待ってなさい」
私は草野球で使うバットを持って家の裏に回ると、2階の部屋のガラス窓が開いていました。
私、「中に居るかもしれない」
玄関の鍵穴に刺さっていた針金は、抜こうとしても抜けない。
家族が誰かの助けを必要としなかったのは、鍵穴に針金を指した者に心当たりがあったから。
妻、「あの子じゃない?」
妻が言う「あの子」とは、半年前に突然家出をした息子のこと。
娘、「お兄ちゃん、帰って来ているの?」
私、「・・・」
私が答えなかったのは、妻が息子のことを「あの子」と表現したのと同じ理由、息子のことを許してないから。
鍵穴に刺さった針金は鍵屋さんに抜いてもらい、私は家の中を確認すると、息子の部屋のパソコンが無くなっていた。
妻、「あの子、お金がないのよ」
玄関の鍵は、ちょっと前に鍵屋さんに交換してもらったばかり。
その甲斐あって、息子は玄関ドアを開けられなかった。
息子が犯人とは言えないため、鍵屋さんにはガラス窓に補助鍵を付けてもらいました。
妻、「ガラス窓に補助鍵まで付けたら、あの子、家に入れないじゃない!」
娘、「お兄ちゃんが可哀想だよ」
最新式の鍵に変えたばかりなのですが、息子が持っているカギで開けられるよう、以前の鍵に変えてもらいました。
それから数日後、私のノートパソコンが失くなりました。