教訓、カギにキーホルダーは付けない。

「ピピッ、ピピッ」と鳴ったのは、脱水が終わったことを知らせる洗濯機のブザー。
妻、「干して来るね」
私、「手伝おうか?」
妻、「仕事で疲れているでしょ、休んでて」
この時までの妻は、優しかった。
その妻を怒らせてしまったのは、・・・。

2階のテラスで洗濯物を干している妻が、階段をバタバタと音をさせて降りて来た。
「どうかしたの?」と妻に聞けなかったのは、妻が見覚えのあるカギを持っていたから。
妻、「何か言うことあるでしょ?」
返事をする前に、妻にカギをブツけられた。
女性の手のひらに収まる小さなカギだが、顔にブツけられるとメッチャ痛い。
妻、「このカギ何?」
私、「職員室のロッカーのカギだよ」
妻、「ウソつくな!」
私、「ウソじゃないよ」
妻、「職員室のロッカーのカギに、ハートマークのキーホルダーが付いてるわけないでしょ」
私、「俺がキーホルダーを付けたわけじゃないよ」
妻、「学校に電話して良い?」
私、「ヤメろよ」
妻、「何かやましいことでもあるんでしょ?」
私、「ないよ」
妻、「貴方、また、女生徒にちょっかいを出してるでしょ?」
私、「生徒に、ちょっかいを出すわけないだろ」
と言って、妻が呆れたのは、妻は私の元教え子だから。

妻、「職員室のロッカーのカギなら、私が学校に持って行くから」
私、「別に良いよ」
学校に付いて来るのに、妻がメイクを始めたため、その隙に、妻からハートマークのキーホルダーが付いたカギを取り上げ、部屋の外に投げた。
妻、「投げても無駄よ、私は拾いに行くから」
妻は、ハートマークのキーホルダーが付いたカギを拾って来た。
妻、「学校に行くわよ」
私が働く学校に妻を連れて行くと
妻、「先生、久しぶり」
私が働く学校は、妻の母校でもある。

妻の元担任、「今日は、どうした?」
妻、「ちょっと、職員室に用事があるの?」
妻は、自らハートマークのキーホルダーが付いたカギを職員室のロッカーに差し込むと
妻、「開いた」
私、「開くに決まってるだろ、職員室のロッカーのカギなんだから」
妻、「疑ってゴメン」

年下の妻を騙すことは、メッチャちょろい。
私は妻がメイクをしている時に、カギをすり替えた。
洗濯物に入っていたハートマークのキーホルダーが付いたカギは、妻には言ってないアパートのカギ。
妻の元担任(私にとっては上司)、「遊びは、ほどほどにしておけ」
私、「すいません」
浮気がバレそうなためアパートは解約したが、修学旅行の御土産にハートマークのキーホルダーを買って来てくれた〇〇とは、まだ関係が続いている。

鍵トラブル 下関

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